江戸時代の家を武士、公家、農民、町人の4類型に分け、地域や時期の違い等からそれらの特質をまとめた本。
江戸時代の人々は、どのような家に住んでいたのだろう?
【本書からの引用】
「中級武士の家をみる。彼らの家は明治以降の中流層の家の原型となり、さらに現代の都市戸建の家にもつながっている。それらの家がどのようなものであったかを知ることは、単なる歴史的な興味に止まらず、われわれが住む家の現状と将来を考えための示唆にもなろう。」(p.33)
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「江戸時代始めから中期までの農民の家は小規模であったが、後期にかけて急速に拡大した。そのような拡大発展の過程で地域独特の家が成立していた。農民の家はきわめて多彩であった。(中略)農民の家は、江戸時代後期にかけて接客空間などは武士の家の特徴を取り入れていくが、間取りの基本は土着の家から出発しており、家が多彩になるのは当然であった。」(p.168)
【書誌情報】
書 名:江戸時代 日本の家 人々はどのような家に住んでいたか
著者名:大岡敏昭 Ooka Toshiaki
発行所:相模書房 Sagamishobo
出版年:2011