20世紀(明治の終わり~平成の始め)の100年間の住宅史。太平洋戦争前後の住宅史の分断がよくわかる1冊。
【本書からの引用】
「民家の時代の終焉をどのあたりに設定したらよいかは、(中略)時代の動きに敏感に反応した都市部と農村、さらには辺境までの間には、大きな落差があったのである。(中略)しかし、この家が建てられた昭和16年以降は、民家は完全に絶滅したと言い切っても間違いない。なぜなら、太平洋戦争が始まって、家を建てることなど論外の時代になるからだ。」(p.72)
「住宅の機械生産化は住宅の既製品化ないしは商品化をもたらしたけれども、機械生産化がより豊かな生活を現出させたことは評価してよいのではないか。(中略)「造っている人の顔が見えない家づくり」になったことに問題の根源があるように思われる。」(p.196)
【書誌情報】
書 名:間取り百年-生活の知恵に学ぶ
著者名:吉田桂二 Yoshida Keiji
発行所:株式会社彰国社 SHOKOKUSHA Publishing Co., Ltd.
出版年:2004