日本人の暮らしと畳の関わりを通史的に知ることができる1冊。
【本書からの引用】
「大正9(1920)年に文部省の肝煎りで発足した生活改善同盟会は「本邦将来の住宅は漸次椅子式に改めること」といった畳の生活を否定する方針を明確に打ち出していった。」(p.65)
「昭和23(1948)年に創刊された、花森安治編集長による「美しい暮らしの手帖」(現在の「暮らしの手帖」の前身)でも、戦後の住宅難のもとでの小住宅生活には、畳敷きよりも板の間が望ましいという評価が、折にふれてなされていく。」(p.71)
「昭和30年には日本住宅公団(現在では宅地開発公団と統合され、56年から住宅都市整備公団)が発足する。(中略)公団住宅において、接客本位から家族本位の住宅を目指して大正時代に唱えられた「住宅改良運動」の目標はようやく達せたれたといえよう。」(p.72~73)
【書誌情報】
書 名:日本人と住まい2 畳 The Japanese and their homes TA/TA/MI
著者名:柏木博、佐藤理、前久夫、熊倉功夫、神崎宣武、藤森照信、内田青蔵、野中涼、鈴木明 Kashiwagi Hiroshi, Sato Osamu, Mae Hisao, Kumakura Isao, Kanzaki Noritake, Fujimori Terunobu, Uchida Seizo, Nonaka Ryo, Suzuki Akira
発行所:株式会社リビング・デザインセンター LIVING DESIGN CENTER Co., Ltd.
出版年:1997