ライブ配信ことはじめ〜まちあるき編〜

長引く新型コロナウイルスへの対応として、活動の領域をリアルからオンラインへ広げようと検討されている方も多いのではないでしょうか?
古民家びとでも、以前から「古民家さんぽ」などのリアルなまちあるきの企画・ガイドをおこなっていました。
しかし、コロナ禍で開催できなくなったことを機に、まちあるきのライブ配信や収録・編集など、オンラインの活用もはじめています。

本記事では、建築・まちづくりに関わる立場から、まちあるきのような「移動を伴うライブ配信」をおこなう際の気付きやポイントをまとめましたのでご紹介します。

【POINT1】ライブ配信ができるサービスを選択する

ライブ配信ができるサービスは、映像と音声による双方向コミュニケーションの可否によって、大きく2つに分類することが可能です。
その2つが、いわゆる「ウェブ会議サービス」と「ライブ配信サービス」です。

まず、「ウェブ会議サービス」の概要を説明します。
ウェブ会議サービスは、オンラインでの会議を主目的としたサービスです。
会議が主目的ですので、映像と音声による双方向コミュニケーションが可能です。
参加人数としては、2人~数十人程度の比較的少人数の場合に向いています。

代表的なサービスとして、Zoomミーティング(Zoomビデオコミュニケーションズ)やMicrosoft Teams(Microsoft)、GoogleMeet(Google)などが挙げられます。

次に、「ライブ配信サービス」の概要を説明します。
ライブ配信サービスは、文字通り、リアルタイムの動画配信を主目的としたサービスです。
基本的に主催者から参加者への一方向の配信となり、映像と音声による双方向コミュニケーションはできません。
参加人数としては、数十人~数千人という大規模な配信に向いています。

代表的なライブ配信サービスとして、YouTube Live(Google)やニコニコ生放送(ドワンゴ)などが挙げられます。

また、最近では、「ウェビナー」という造語もよく見聞きするようになりました。
ウェビナーは、ウェブ上でおこなうセミナーという意味だそうで、ライブ配信コンテンツの一種です。

このように、ライブ配信ができるサービスには一長一短がありますので、自分のライブ配信の内容に合わせてサービスを選択する必要があります。
古民家びとでは、参加人数が20~30名のイベントが多いため、映像と音声による双方向コミュニケーションが可能なZoomミーティングを使用しています。

【POINT2】現場の通信環境を確認する

移動を伴うライブ配信をおこなうためには、スマートフォンやカメラ等の端末をインターネットに接続することが必須となります。
そのため、現場を下見する際には、ルート上の通信回線速度や遮蔽物の有無など、現場の通信環境の確認がポイントとなります。

一般的に、屋外でインターネットへ接続する方法は、2つあります。
LTE (Long Term Evolutionの略。キャリアによっては4Gと呼ぶ。)を利用するか、モバイルWi-Fiルーターを準備するかのどちらかです。
古民家びとでは、docomoの4Gを利用しています。

モバイルWi-Fiルーターも検討したことがあるのですが、山間部の集落など、古民家びとが配信をおこなう現場がサービス対象エリア外になっていることも多く、導入を諦めた経緯があります。

まちあるきのライブ配信の様子

【POINT3】Zoomミーティングのデータ通信量と料金の目安

移動を伴うライブ配信を検討されている方が最初に気になるのが、Zoomミーティングのデータ通信量と料金ではないでしょうか?

古民家びとがdocomoの4Gを利用した際の実績値は、以下の通りでした。
配信時間=約1時間、参加人数=約20 名の場合、データ通信量は、約1GB。

docomoのデータ通信量の追加料金は、1GBあたり1,100円(税込)です。
よって、移動を伴うライブ配信にかかる料金は、1時間1,100円(税込)が目安となるでしょう。

【POINT4】移動を伴うライブ配信の体制

ライブ配信で最も避けたい事故は、配信が途切れてしまうことです。
しかし、移動を伴うライブ配信の場合には、現場の電波状況によって予期せぬ通信途絶や遅延があることを前提に体制を考えておいた方が良いでしょう。

配信が途切れる事故を防ぐコツは、通信の安定性が確保されている端末をホストにすることです。
ホストの端末はPCとし、高速のインターネット回線にできるだけ有線で接続すると良いでしょう。
そして、現場から配信する端末を共同ホストに設定し、通信途絶や遅延があった場合には、ホストが対応する体制とします。

また、移動を伴うライブ配信の場合には、現場で配信を担当するスタッフの安全確保も大切です。
配信に集中していると、周囲への注意がおろそかになることも多いからです。
特に古い町並みの場合、歩道はないが交通量は多いといったケースもありますので、配信をサポートするアシスタントがいると良いでしょう。

歩道は決して広くはないので、注意が必要。

 

【POINT5】移動を伴うライブ配信の画質

「画質はもう少し良くならないのですか?」
これは、移動を伴うライブ配信をおこなう際によくある質問の1つです。

多くの人にとってテレビで観る映像が基準になっているため、配信される画質の悪さが気になるようです。
個人レベルのライブ配信にテレビの品質は望むべくもありませんが、移動を伴うライブ配信の画質の良し悪しは、通信回線速度や利用するサービスの仕様、端末の性能によるところが大きいようです。

例えば、Zoomミーティングは、オンラインでの会議を主目的としたサービスであることをPOINT1で述べました。
会議が主目的ですので、画質よりも通信の安定を優先させる仕様になっているようです。
そのため、もともと低画質に設定されていることに加え、参加人数が増えたり、電波状況が悪化したりした場合には、さらに画質が低下する傾向にあります。

移動を伴うライブ配信の画質の向上には、5Gの普及や端末の性能の向上、それらに伴うサービスの仕様の変更など、まだまだ時間がかかりそうです。

以上、簡単ですが、移動を伴うライブ配信をおこなう際の気付きやポイントをまとめました。
皆さんの活動のお役に立てれば幸いです。

関連記事 >> 古民家さんぽ(村田町の店蔵編)~古民家を巡る旅~

<問合せ先>
古民家びと 早川欣哉(一級建築士・宮城県ヘリテージマネージャー)
2011年度から当ウェブメディア「古民家びと」の運営を開始し、宮城県内の歴史的建造物等の実測調査や専門家研修にも参加。2020年度、調査・申請をおこなった「旧高橋家住宅(風の沢ミュージアム)」が、宮城県栗原市の登録有形文化財(建造物)の第1号として登録される。
仙台を拠点に様々なまちあるきツアーが楽しめる「仙台ふららん」では、「古民家さんぽ」の企画・ガイドも行っている。
コロナ禍をきっかけに、ものづくりやまちあるきのオンライン配信を始める。
2021年秋、宮城県栗原市の六日町通り商店街に、古民家をリノベーションしたオンラインスタジオ&ギャラリーをオープン予定。
古民家の調査やリノベーション・リフォームに関する問い合わせがありましたらお気軽にどうぞ。

〒984-0075 仙台市若林区清水小路6-1-1階
MAIL | info★cominka.jp (★を@に変えてください)

Share
Scroll to top