古民家の町並みを散歩するかのように
「古民家さんぽ」シリーズでは、通りを散歩しているイメージで建物を順番に紹介してゆきます。
古民家の町並みを散歩するかのように、ご覧頂ければと思います。
宮城県でオススメの古民家の町並み、村田町のこと
宮城県内で「古民家さんぽ」オススメスポットと言えば宮城県柴田郡村田町。
宮城県で初めて重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。(宮城県内は村田町だけ!)
〇村田町の古民家についてデータでみると?
・保存地区の名称:村田町村田伝統的建造物群保存地区
・保存地区の所在地:村田町大字村田字町の一部
・保存地区の面積:約7.4ヘクタール
・伝統的建造物(建築物) 81件
・伝統的建造物(工作物) 42件
・環境物件 1件
・合 計 124件(平成28年4月現在)
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〇村田町で見るべき古民家の特色は?
村田の商家の特色は、表通りに店(たな)と表門がワンセットで建てられているところです。
南北の通りに対して、表門は必ず南側に付いています。
他にも、白黒だけではない「なまこ壁」や、1つとして同じものがない「持ち送り(L字型の部材)のデザイン」など、村田町ならではの古民家の特色を見ることができます。
〇地図で見てみると?
こちらの地図は、重要伝統的建造物群保存地区内の中央くらいある本町駐車場に設置されています。
地図の赤枠で示されているのは重要伝統的建造物群保存地区の範囲で、薄いグレーは伝統的建造物(建築物)。
この地図の中に、ここでご紹介する13件の古民家の最初の「(1)ヤマニ邸」をプロットしました(緑の〇)。13件の順番は、(1)ヤマニ邸から北に向かって歩くと見えてくる順番になっています。(東側と西側に建っているので多少の前後あり)
見どころ13件!村田町の店蔵
(1)ヤマニ邸(旧大沼としを家) Yamani Tei
村田町の観光案内所です。
(2)村田商人やましょう記念館(旧大沼正七家) Yamasho Kinenkan
敷地内にある10棟が重要文化財に指定されています。店蔵の内部には、その財力を誇示する大きなケヤキの梁があります。
(3)かねしょうの時館(かねしょう商店) Kanesho no Jikan
私設の歴史民俗資料館です。土壁や土扉を黒く塗った跡が残っていますが、これは空襲の際に上空から建物を見えにくくするため。
(4)糀ダイニング藍(かくしょう店蔵) Koji Dining Ai
レストランとして利活用されています。ザ・赤瓦な店蔵で、なまこ壁にも妻側も赤瓦。
(5)かねまん Kaneman
こちらは江戸末期頃の建築と推定されているそうです。
(6)丸恵化粧品店 Marukei
化粧品店です。通りからは見えにくいのですが、表門には透かし彫りが。
(7)山田医院(やましん) Yamada Iin
築約200年!村田伝建地区最古の店蔵です。表門は木戸門または腕木門と呼ばれる形式です。
(8)田専商店 表門 The front gate, Tasen Shoten
必見なのは滴水瓦(てきすいがわら)。必見の理由は、一般的には民家に使われる形式ではなく、お城や社寺で使われた形式だからです。
(9)本家升や Honke Masuya
土扉もなまこ壁も黒漆喰の店蔵です。沓石(くついし)と木製格子戸の取り合いにも注目です。
(10)大沼酒造店 Onuma Shuzoten
創業は、1712年。「乾坤一」という宮城の地酒を製造しています。村田町の村田伝建地区では唯一、庵看板(いおりかんばん)があります。
(11)かのう赤間邸 Kano
塗屋造(ぬりやづくり)のお店。塗屋造というのは、土蔵造の簡易バージョンのこと。全体的なバランスやディテールが絶妙です。
(12)まるじゅう大沼邸 Marujyu
外壁の損壊部分を見ると、土蔵造りの外壁下地が良く分かります。
(13)cafe 蔵人 cafe Kuroudo
店蔵をリノベーションしたカフェ。鏝絵(こて絵)という日本で発展した漆喰を用いて作られるレリーフを見ることができます。
村田町の古民家を巡る旅や散歩をする時の参考情報
いかがでしたでしょうか。
恐らく、実際に見て歩いて写真も撮っていたら2時間では到底足りません。
気になる建物だけを見て歩くのものいいですし、途中、カフェでお茶したり、レストランで食事をしたり、1日まるっと満喫するのも良いと思います。
歩道がそれほど広くなく、車の交通量はそこそこあるので写真を撮る時などは特に注意が必要です。
季節のイベントもあります。3月のひなまつりイベントでは、江戸時代のお雛様等を見ることができます。
また、10月に開催される陶器市は有名で、店蔵と空店舗で陶器が展示・販売され、多くの人で賑わいます。
マナーを守って楽しい散策を!
〇村田町のホームページより
保存地区は、住民のみなさまが日々の生活を営んでいる町並みです。
通りから建造物等の外観をお楽しみいただくなど、見学のマナーを守りましょう。
敷地内・建物内に無断で立ち入るのはご遠慮ください。ご協力をお願いいたします。